固まりつつあるNISA改正の方向性

こんにちは、金融教育家、投資信託ナビゲーターの大地恒一郎です。

11月28日、「第13回新しい資本主義実現会議」において、少額投資非課税制度(NISA)の拡充を柱とする「資産所得倍増プラン」の政府案が正式に決定されました。
これを受け、現在与党の税制調査会で議論が進んでいます。最終的には、今月末に「令和五年度税制改正大綱」が決定され、NISAの改正内容が固まります。

ただ、先週くらいから議論の内容が、ときに新聞などに「方針が固まった」として報道されることがあります。
12月12日午後、これまで明らかになっていなかった年間投資上限額などについて、新聞やNHKなど各報道機関が一斉に報じました。

報道されている内容から、現時点で知りえた主な改正内容を下表の通り、整理してみました。
(12月13日午前7時修正)
生涯投資枠については、当初1,500万円とする方向だったようですが、その後の調整で1,800万円に引き上げる方向で検討されているようです。

(各報道をもとに筆者作成)

これを現在の2つのNISA制度がどう変わるかという比較表にしてみたものが下表です。

(各報道をもとに筆者作成)


これまで、金融機関のシステム改修が間に合わないという声があり、どういう移行のしかたをするのかと関心が集まっていましたが、2024年からの新制度は、現行制度を引き継がない、ということになる模様です。ある投資信託情報誌には、「現行制度の取引を新制度の投資額の計算範囲から除外するのであれば、改修のハードルが下がる」という事業者の声が紹介されていました。(「ファンド情報」394号2022.12.12)

いずれにしろ、制度導入前からきわめて評判の悪かった2階建ての制度が白紙に戻ったことは良かったと思いますし、生涯投資枠という考え方が、スイッチング可能な仕組みを意味しているのであれば、これも大いに喜ばしいことかと思います。

最終決定まであと2週間程度ですが、引き続き注目していきたいと思います。

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